大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)631 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人椢原隆一の上告理由第一点について。

論旨は要するに上告人は自創法三条五項七号の買収申出をした事実はないと主張

するに帰し、本件和解調停については農調法所定の手続によつたものでもなく、農

地委員会は会長に紛争解決を斡旋せしめる旨の決議をしたこともない。調停は会長

の全く個人的行為であるから調停が成立し、会長が出席し、調停書に署名捺印して

も、上告人が買収申出をしたことにはならないというのである。

しかし、調停がかりに会長の個人的行為であつても、また調停の内容に法令違反

の点があつたとしても、調停と買収申出とは別個に考えることを要する。買収申出

を受理することは、農地委員会の積極的な行為ではないから、特に委員会の決議を

要するものではない。会長は会の代表者として当然に申出を受理する権限を有する

のであるから、調停の当否にかかわらず、申出があつたものと認めることができる

のである。調停書の不備等も問題にする余地はない。論旨は理由がない。

同第二点について。

前述のとおりであるからDが会長として調停を試みたかどうかは、買収申出があ

つたかどうかとは関係のないことである。かりに原判決の説明に妥当でないものが

あつたとしても、買収申出があつたものとした判決の結果に影響はない。論旨は理

由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

裁判官島保は病気につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 河 村 又 介

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